ある歯科医院のお話
このコロナの影響であちこちの企業が売上低下となり苦境に陥っておられるところが少なくありません。
歯科医院の経営悪化はどの業種と比べてもかなり酷い部類に入るのではないかと思います。
ある歯科医院、ご夫婦で経営しておられます。
歯科医師2名、歯科衛生士3名、受付事務2人とそこそこ人を抱えてやってらっしゃいます。
そちらが今年に入って、昨年に比べ売上が50%以上ダウン。
4月になってからは一日に1人も患者さんが来ない日が続いたといいます。
従業員にも交代で休みを取ってもらい、少ない人数で細々営業を続けておられました。
その営業にしても、やはり感染対策は、より神経を使われているとのことで、器具の消毒剤だけではなく、設備什器の消毒剤の購入、フェイスシールド、マスクの購入など余分に費用が嵩み、掃除にかかる手間や患者様に対する配慮など見えない労力もたくさんかかって、仕方ないとは言え、かなりの打撃だというのは想像できるところ。
そこで相談がありました。
助成金を活用できないか?と
それについては要件を一通りご説明し、助成制度を活用することになりました。
それは良いのですが、歯科衛生士の給与形態を変えたいとのご相談。
歯科衛生士さんの給与??変えたい?どんな風にですか??
『出来高制にしたい』とのこと。
今までの固定給をやめ、患者さんを獲得したらその分毎月払おう、というのです。
従業員として雇用していて完全歩合給は日本では法律違反で不可能なんです。
雇用している以上、時間に対して最低賃金は払わなくてはなりません。
最低賃金は確保してあげて、あとは歩合給をプラスしますよ、っていうならまだ法律は認めてくれます。
でも働く人はどうでしょう?
皆さん、納得されますかね?
総支給額はおそらく減ることになるんですよね?
という説明をしたら
『(歯周病予防のために来てるような)患者に直接応対してるのは歯科衛生士なのに患者が減ったり増えたりするのは経営者の私たちの責任でしょうか?ホテルでも応対するのはフロントやドアマンなのにその応対のせいでお客様が減ったらホテルや支配人のせいになってしまうのですか??』
と、????????なお返事が返ってきました。
答えはもちろん、
はい、全て経営者の責任です。
『ちょっとでも従業員のために』と常におっしゃってる奥様も、普段から少し汚い(すみません💦)計算が見え隠れしていたのですが、今回自分たちのことしか考えられていない経営者だということがはっきり露呈しました。
こんなところで出てしまいますね、その人の本性というか本質が。
それとも経営が圧迫すると正常な考えが出来なくなってしまうだけなのか…
経営者の方々の大変さを身につまされる思いで感じながら伴走しています。
しかしながらこういう大変なときにも従業員のことを考えて大切にされてる企業さんもたくさんあります。
コロナは人の脳みそにまで悪いウィルスを送り込むようです…
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