生きづらさを感じているT君
* 顔に出てしまうのを何とかしたいのですが。。。
T君、29歳独身。大学卒業後正社員で勤めて転職し現在2社めで勤続3年目。
思っていること(嫌なことを頼まれたときのことをおっしゃってます)が顔に出てしまうのをどうにかしたいと言ってこられました。
去年の夏頃
『消えてなくなりたいと思うことがあります。』
と初めて来られました。
かなり追い詰められている発言で、とても心配しましたがその状態は乗り越えられて現在に至ります。
T君は産業用コイルメーカーの事務系職です。
苦手な業務が
取引先との交渉ごとなのだそうですが、今回はそういう仕事を頼まれたとき嫌だという感情が顔に出てしまうのをどうにかしたい、とのお話でした。
『感情を表に出ないようにしたいという意味?
または嫌だと思わないようにしたいということ?
それともその両方?』
と尋ねると
『両方です』
とのことでした。
感情を表に出ないようにする=感情を押し殺す
というのは限界があります。
やり過ぎると精神衛生上よくないのでお勧めしません。
嫌だと思わないようにしたい、というのもいくつかあって
①見方、考え方を変える
②嫌でないものにする
です。
①見方、考え方を変えるとは
例えば相手と『交渉する』と思うからお互い身構えてしまうのであって、
『相手もこちらもWin-Winでメリットが出るように一緒に考える』
と捉えていくと幾分気持ちが楽になりますよね、
ということです。
②嫌でないものにするとは
交渉ごとを好きになる、せめてニガテ意識を取り除くということです。
それをするにはまず、自分の弱点を知らなくてはいけませんよね。
T君の場合、自分があらかじめシミュレーションしてたことと相手の答えや反応が違うともうその先パニックなるとのことでした。
自分は臨機応変に対応できない
次の手がすぐに想像できない
と言います。
スマートに臨機応変に対応してる人って対応力があって素晴らしいな、と思います。
中には言葉巧みにそれとなく誤魔化して乗り切れる能力がある人もいますが、少なくともT君はそんな器用な対応をする人ではなさそうです。
そのように臨機応変な対応力というのは一部の人にだけ与えられた特殊能力であるかのように思いますが、私はそうは思いません。
確かに前述した通り、言葉巧みに上手く話せる人もおりますが、本物の臨機応変はそんな言葉の魔術に支えられてるものではありません。
臨機応変に対応するには、
『たくさんの引き出し』が必要です。
引き出しを増やすには、まず商品知識であるとか法律であるとか、基本情報を出来るだけたくさんしっかり自分に入れ込むことが大事です。
この基本の部分をあまりしてない人がやはり多いと感じています。
それぞれに関連したことも自分で調べて自分に貯めておくことも大切です。
臨機応変に対応できる人は
圧倒的にまずこの『知識力』と『暗記力』が優れています。
決して特殊能力ではありません。
これは1人でコツコツ積み上げることができますよね。
これを聞いたT君は一筋の光が見えたような反応をしました。
『あー、そう言えば知らないところを突かれたら怖いという気持ちでそれ以上言えなくなることも多いです。』
とのことでした。
次に『引き出しを開ける力』が必要です。
必要なときに適した引き出しを開けることができる能力=蓄積してある知識を必要なときに引っ張り出せることがその能力になります。
これは1人でコツコツ積み上げるというわけにはいきません。
T君にも
『どうしたらその能力がつきますか?』と尋ねられました。
私は
『仕事をすることです。』
とお答えしました。
苦手な『交渉ごとの業務の訓練』は『交渉ごとの業務』でしてください、ということです。
驚いたようでしたが、T君の目には落胆ではなく希望の光がまだ輝いていました。
『嫌な仕事は訓練でもあるのですね?』と察しのいいT君は答えてくれました。
しかしこれはT君にとってはまだ机上の空論でしかないので、もちろん初めから上手くいくことはないでしょうが。。。
臨機応変な対応力は
『豊富な知識量と経験』に支えられているのです。
そしてこれはT君は『覚悟』を持って転職しないと決め、続けておられるあらわれです。
転職するにも『勇気』と『覚悟』
続けるにも同じくらい『覚悟』がいります。
そこを決めないとT君みたいに次の段階にすすめません。
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